なかなか進まないこともあって、書けたところからアップしてしまおうという魂胆の第一弾
お付き合いくださいネ ウオズミ
『Tuilikって何?』
初めてTuilikを見たのはネオプレーン製のものですが、異様な雰囲気を感じてしまいました。肥えたモジモジ君ですもんね。でも、それを着るだけでカヤックと直結した防水ウエアになるという装備は、機能ごとの性能を高めるためにパーツに分けてしまう傾向のアウトドアグッズとは違うシンプルなところがイイと感じ入りました。
Qajaq USAではFull kayak jacketと説明しています。音声資料まであって、発音を聞いてみると「トウーリッ」と聞こえます。ハイッ、皆さんご一緒に、「トウーリッ」。
スキンカヤックを初めて作る際に参考にした資料の一つ、Sea Kayaker誌の編集長であるChristopher Cunningham氏による書籍 Building THE Greenland Kayak には、スキンカヤックやパドルの他にもいろんな道具の作り方が紹介されています。その中に、ナイロン生地を使ったTuilikの作り方も載っていて、頭の部分と体の部分に分けた生地の寸法が掲載されています。この頭部と胴体のパーツを縫い合わせると作れる訳ですが、他のページにあるロールの解説のところには、このTuilikを着てロールしている写真が載っています。「こんな風に来てホントにロールするんだ!」と、遠い世界を垣間見た気がしていました。
『素材の選択』
元々のグリーンランドで作られるTuilikは、アザラシの革でつくられるのですが、他の皮で作られたものがあるのかは不明です。作れないことはないでしょうが、素材の防水性の問題やアザラシの皮と同様にメンテナンスにも手間がかかるでしょう。革のTuilikは定期的に油を塗って、冷蔵庫に保存していると聞いたことがあります。なるべく低温保存して臭わないようにするためかもしれません。
人工のものでは、ネオプレーンの他にもゴム、ナイロン、布などが使えそうです。高性能防水透湿性ナイロン生地なんか魅力的ですが高くつきますね。
スキンカヤックの製作で余っていたこともあって、他の人も使っていた帆布を使って作ってみました。革とは異なりますが、天然素材ということも理由の一つ。2008年10月当時、サイトで検索すると既に大阪の“まっちゃん”の帆布で作ったTuilikがヒットしました。たしか、柿渋で濃い~色にしていました。Greenlander mk2さんも既に帆布で作っていて、防水に油を使ったり天然素材にこだわった作り方・使い方をしていました。袖や顔まわりの浸水対策も既にいろいろと試されていました。常にそのTuilikで海に出て、実際に使っているなかで修繕し、完成度を高めている情報はとても参考になります。
第二弾へつづく
