「戻る先は判りますねぇ、・・・」、「はい、判ります。」と答えて湾を出ようとした、湾の外はナブラだけでなく猛烈な向かい風、「こりゃ、しょうがない、」全く進まない訳ではないから時間をかけるしかないと覚悟の上で、力をセーブして風上に向かった。
久しぶりの荒れた海だ、舟が木の葉のように翻弄されるのも楽しい、ま、岸ベタだから何とでもなる、よそ者は私だけ、他の方々に心配をかけるのが申し訳ないだけだ、さいわい老骨の私が先頭だから心配かけないように漕ごう。 やがて、エイジュさんが追い付いて来て、「避難しましょう、」と目先の港を指示して、また後ろへ戻った。レンジさんが腰痛で辛いらしい。
港は完璧な風裏、レンジさんを暫し待って上陸した。
港から出艇場所の磯までは目と鼻の先、300m位だった、舟を運ぶ身にはこの距離は嬉しかった。
出前の昼食を皆で摂って、さて、この風ではテントもましてタープも無理だとの判断で先ほどの港の片隅の小さな砂浜へ移動を決めた。
さ、午後はロール練習会、明日のコンペの事もあるからと場所探し、結局は港を越えて反対側の小さな砂浜に移動して、暫し練習することにした。

